例会報告
劔岳(2999m)・源次郎尾根ルート

山行日 96日(金)~8日(日)

天候 9/6晴のち一時雨、 9/78 快晴

参加者 畑(L)、山内(SL)、高山三(記録)

コースタイム

1日目:室堂(1130)→別山乗越(1410)→剣沢小屋(1510

2日目:剣沢小屋(400)→源次郎尾根取付(545)→1峰(1000)→2峰(1100)→剱岳山頂(1340/1420)→剣山荘(1750

3日目:剣山荘(640)→別山乗越(810 / 845)→新室堂乗越(1010)→室堂(1155

1日目>

前日夜に明石に集合、途中仮眠を挟んで立山駅に向かう。平日なのに立山駅前の駐車場は満車で少し下の駐車場に車を置いた。ケーブルカー、バスを利用して室堂へ。室堂はさすが観光地。人が多い。みくりが池、雷鳥沢キャンプ場を通って、ジグザグの雷鳥坂を登っていく。途中、なんかガサガサ音がするなと思って周りを見回すと、少し上の方に子熊がいる!私たちがいる反対方向に走っていったが、びっくりした。別山乗越で少し休憩。晴れていたのに、いつの間にか雲行きが怪しくなってきた。山小屋に向かって歩いていくうちに雨が降り出し、合羽を着て歩いて山小屋に到着。宿泊手続きで明日の予定が「源次郎尾根」と聞いて管理人の目つきが変わりました。「源次郎は今、八ツ峰より事故が多
いんですよ!?(分かってる?といった目つき)」「山行経験は?」「(バリエーションの)経験は?」「岩登りは?」等々、次々聞かれ、リーダーが次々答えを返して、やっとコースの注意点の説明を受けた。そして「必ず山頂に着いたら電話を入れてください。電話がないと捜索依頼をします。必ず忘れず電話してください」何度もじっと目を見て念を押され、やっと自分がこのコースを少し甘く見ていたのではと不安になった。でも、この山行のために、岩トレ(懸垂下降の反復練習)、沢登り(岩稜トレ)、ボッカトレと練習も積んだし、頑張ろう!と翌日に備え早めに布団に入った。

2日目>

4時出発。真っ暗で天の川が見える綺麗な夜空の中、ヘッドランプの明かりを頼りに歩き始める。が、私たちの後に出発したグループが違う方向に進んでいくのが見える。道を外れていることに気付き、何度か川を渡渉しながら道を探す。川の上部を巻く道を見つけほっとするが、ざれた急坂で相当歩きにくい上に長い!雪があればアイゼンでずっと上部まで進めるそうで、雪が少なくて残念だった。

取付点手前でやっとアイゼン装着。距離は短いが、硬い雪の上を歩き、アイゼンを外していよいよ源次郎尾根に取り付く。まずは樹林帯。剣沢から随分と標高を下げたことが分かる。灌木が茂る急な尾根で、木の間をくぐったり、木に足をかけて岩を乗り越えたり、岩と木の間に手や足を挟み込ましたりと、まるでジャングルジムのよう。途中、岩場も2か所あり、これが難しくてロープを使った。私たちのすぐ後にソロの男性がいて、「ロープ使いますか?」と声を掛けて随分感謝されました。

森林限界を超えると、あとはひたすら岩を登る。雲一つなく絶景で、鋸歯のような八ツ峰も全貌を現し、思わず「かっこいい!」と声が出た。それにしても1峰まで遠い。そしてとにかく暑い。せめて風でもあればいいのだが、無風。この日は1日、この暑さに苦しめられた。

取り付きからずっと四肢を使ったクライミングで腕も少々疲れてきた。思えば、ずっと急峻な岩場が続いているが、1か所も鎖も梯子もない。自分の目と、手足だけで進む。これがバリエーションかと思いつつ、ゴールはまだまだ!と自分にハッパをかけた。休憩時にSLが「いたた」とつぶやくのが聞こえた。聞くと、まだ暗い中を渡渉していた時に転倒して背中を打ち、ろっ骨を折っているようだという。このルートでは救助要請するか進むしかない。歩けるという言葉にすがる想いでそのまま進んだ。



ヘリコプターが近くを旋回している。私たちを見張っているのかな?と気になっていたが、どうも隣の峰で事故があったようだ。私たちも気をつけねば。

1峰に到着。やっと着いたという思いだが、この先の2峰への下りは相当急で気が引き締まる。休憩をはさんで慎重にナイフリッジを下り、最低鞍部から2峰を見上げると大きい!登り始めると、急峻な岩場をよじ登っていくので、どんどん高度を稼いでいく。やっと斜度が落ち着いたら2峰に到着。この2峰の末端はこのコースのハイライト、30mの懸垂下降ポイントだ。

前を進んでいたソロの男性と軽く喋り、男性が下降した後、2本のロープを繋ぎ、支点にロープをセットして下降を開始する。L,私、SLの順で下りたが、下が全く見えず、 1歩目がとにかく怖かった。3人の下降が無事終えるとロープを片付けて、いよいよ本峰、剣岳山頂を目指す。



山行前に見た資料では、懸垂下降後は頑張って歩く、といったイメージでしたが、そこはさすがに剣岳。歩くところもある、と言ったところでしょうか。尾根の取付きから2本脚だけで歩いたところは何メートルあったかなと考えてしまった。また、ガレた尾根道は歩きにくく、傾斜は急なので中途半端に踏んだだけで落石する。疲れと暑さでバテ気味になり、足もゆっくりしか動かなくなってきた。とにかく安全にと、ペースはゆっくり、休憩を挟みながらじっくり歩いた。山頂直下で見上げると、先のソロの男性が「お疲れ様~」と手を振ってくれている。登頂し、皆で固い固い握手を交わし、山小屋に登頂報告を入れ、写真を撮って長めの休憩を取った。



とにかく厳しくてしんどくて、長くて、暑くて、何重苦?といった感があったが、その苦労を吹き飛ばしてくれるくらい、素晴らしい絶景だった。穂高に白馬、鹿島槍などアルプスの山々と富士山、そして日本海。すべてがくっきり見渡せた。頑張ったと心から思え、また心からメンバーに感謝した。ただ、暑さは変わらずで下山前にいつもより多めに持った水が無くなってしまった。下山は別山尾根。剣山荘まではコースタイムで2時間半ほどだが、今の体力ではそんな時間ではまず着かないでしょう。不安を持ちつつ下山を開始した。

長めの休憩のお陰で、随分身体は楽になったが、やはり疲れ切っているのでペースが全く上がらず、すぐに息が上がってしまう。こまめに休憩しながらゆっくり歩くことにした。別山尾根は要所要所に鎖がある。いつもなら、鎖に頼りすぎないように歩くのだが、腕も足もくたくたの状態ではそんなことは言っておられず、鎖に頼りまくって下山した(これは多分私だけ)。

水が無くなったことのダメージは大きく、ずっと口はカラカラで、行動食を食べようとしても唾液が無いので飲み込める気がしない。水無しで何時間も歩くというのがこんなに辛いとは思わなかった。カニの横ばいを通過し、前剣、一服剣を経て、剣山荘が見えた時は心底ほっとした。やっと歩かなくて済むと思った。到着時間が遅かったので、山小屋に入るとすぐ夕食。荷物を部屋に置き、ハーネスを外して食堂に行き、乾杯して予定コースを無事歩けたことを祝った。

3日目>

3日目は朝食後ゆっくりコーヒーを飲んでから山小屋を出発した。歩き出すと昨日の疲れがとれておらず足が重い。室堂まで景色を楽しみながらゆっくり歩くことにする。別山乗越までは登り道。所々草紅葉が始まっていて美しい。

別山乗越に着き、休憩していたらなんと、昨日のソロの男性と再会。皆で喜び合った。この男性、写真も好きとのことで、見せてもらってまたびっくり。岩を懸命に乗り越えている私たちや懸垂下降をしている姿などなど、振り返っては撮ってくださっていたようだ。メールアドレスを交換し、後日写真を送ってもらうことにした。大満足な山行がさらに人の出会いで大満足になった。

下りは大日岳に向かう道から下り、途中から雷鳥沢に下るルートをとった。傾斜が緩やかな分、時間は少しかかったが、歩いたことのない道だったので楽しく歩けた。雷鳥荘までの長―い上り階段を経て、立山の山容をくっきり映したみくりが池、そしてやっと室堂に到着した。


<感想と反省>

 




















































































































































































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